帰化 オーバーステイをしたことがある場合

帰化 オーバーステイをしたことがある場合

帰化の条件の一つである素行条件では帰化申請者は素行が善良であることが求められています。実務的には、日本に帰化するにあたり義務付けられている税金や年金、健康保険料を納めていること、違反歴や犯歴のないこと(ある場合にはその内容)を証拠書類で立証していくことになります。

過去にオーバーステイの経歴がある方の場合、この素行条件が問題となってきます。

オーバーステイ(不法残留)とは

正規の手続きによって日本に入国・滞在する外国人には在留資格と在留期間が与えられており、その範囲内であれば国内で自由に活動することが認められています。オーバーステイ(不法残留)とは、その許可された在留期間を超えて不法に日本に滞在することをいいます。

オーバーステイは出入国管理法違反であり、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万以下の罰金、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科するといった厳しい罰則が定められています。

退去強制と出国命令

在留許可の範囲を超えて滞在している外国人はオーバーステイとされ、退去強制手続がとられ、日本から強制送還されます。

基本的には入管職員や警察により摘発、収容されその後本国へ強制送還されます。送還後は5年間または10年間日本に入国することができなくなります。

一方で、出国命令の場合には強制退去とは異なる処置がされます。

自らオーバーステイと入管に出頭し、いくつかの条件を満たしていれば収容されることなく出国することができます。また、出国後は退去強制と同様、日本への入国不可期間がありますが1年間といった短期間になります。

在留特別許可

法務大臣が退去強制される外国人に対して特別に滞在を認め、許可を与える措置を指します。

本来、オーバーステイしている外国人は退去強制または出国命令によって日本を離れることになりますが、在留特別許可が与えられた場合、適法に日本に滞在することができます。

過去にオーバーステイの経歴がある場合

過去にオーバーステイとなり、上記のような退去強制や出国命令にて帰国したことがある方や在留特別許可を受け日本に滞在している方でも帰化申請することは可能です。ただし、相当期間(例えば在留特別許可を受けてから10年以上)あけて申請するといったことや、犯してしまった過去の法律違反に対して現在および将来にかけて素行が善良であると総合的に判断してもらうことが必要となり、簡単な申請にはなりません。

また、配偶者も在留特別許可を受けていた場合などはさらに経過期間を加えるなどといったことも必要となり、申請者個人での申請はハードルが高いものとなっています。

帰化を考えているけど過去にオーバーステイの経歴があって心配・・

などとお考えでしたらひとりで悩まず、まずは専門家に相談することをお勧めします。