帰化 年金の未納がある場合

帰化 年金の未納がある場合

帰化の条件の一つである素行条件では帰化申請者は素行が善良であることが求められています。実務的には、日本に帰化するにあたり義務付けられている税金や年金、健康保険料を納めていること、違反歴や犯歴のないこと(ある場合にはその内容)を証拠書類で立証していくことになります。

年金の未納(未加入)がある場合は帰化できない

税金の場合と同様、年金が未納(未加入)だった場合、素行条件を満たしていないとみなされ帰化することができません。

仮に今まで支払いをしてこなかったのであれば、必ず事前に支払いを済ませておきましょう。

納付状況の確認方法

その支払うべき年金ですが、会社員で給与から厚生年金が引かれている場合には会社が手続きを行っているため未納は考えられず、基本的に納付状況は問題ありません。

注意が必要なのは厚生年金に加入していない場合で国民年金の支払い義務がある方です。給与から自動的に引かれる厚生年金と異なり、個人で納付する必要がありますので支払い忘れや勘違いで滞納月があるなど、未納の可能性も考えられます。

自身の納付状況がどのようになっているか、定期的に送られてくるねんきん定期便やWeb上で確認できるねんきんネットを利用して確認してみてください。

ねんきん定期便とねんきんネット

ねんきん定期便は日本年金機構が作成しており、誕生月にハガキや封書で自宅に届きます。

内容は保険料納付額、月別状況(直近13月)、年金加入期間などが記載されており、申請者の納付状況がわかる内容となっています。

ねんきんネットは日本年金機構が運営しているWebサイトで、月別の年金記録の情報や国民年金や厚生年金の加入記録といったご自身の年金記録などを確認することができます。ねんきん定期便をPDFでダウンロードすることもできますのでハガキや封書が手元にない場合にはねんきんネットを利用して確認するのがお手軽です。

未納があった場合

ねんきん定期便やねんきんネットを利用して国民年金に未納があった場合ですが、直近2年分すべて完納している状態にしておけば安心です。

未納額を納めるための納付書がお手元にない場合にはご自宅の住所を管轄する年金事務所で発行してもらえます。支払い状態が確認でき次第、早めに対処することをお勧めします。

年金関係の提出書類

書類の種類備考
ねんきん定期便のハガキ誕生月に自宅に届く
※ねんきんネットで取得することもできる
国民年金保険料領収書少なくとも直近1年分のコピー
年金事務所の確認書国民年金保険料納付確認書を年金事務所で取得
被保険者記録照会回答書年金事務所またはねんきんネットで取得

基本的にはねんきん定期便のみで問題ありませんが定期便がない場合には領収書や確認書となります。また、ねんきん定期便に代わる書類として被保険者記録照会回答書を提出する場合もあります。 上記の表を参考にご自身の状況に応じて書類の準備をしてください。

法人経営者などは提出書類が異なります

対象者備考
法人経営者、会社役員厚生年金保険料領収書のコピー 直近1年分または年金事務所の確認書
5人以上の雇用がある個人事業主

法人経営者や法人役員、一定の人数を雇用している個人事業主の方は厚生年金保険料領収書のコピーが必要になります。領収書が見当たらない場合は年金事務所で社会保険料納入確認書を発行してもらい領収書の代わりに提出します。

ここで問題になるのは、本来なら厚生年金等の社会保険保険に入っていなければならない会社なのに未加入だった場合です。

法人経営者や個人事業主で5人以上の雇用がある場合には会社や事業所が厚生年金や健康保険といった社会保険に加入している必要があり、これは法律により義務とされています。

該当する事業者で、社会保険に加入しておらず、義務を果たしていない場合は素行条件を満たしていないと判断され帰化申請することができません。 もし、該当事業者で加入していないのであれば、まずは先に社会保険に加入して厚生年金を納付してから帰化申請を進めるといったことになります。