日本に滞在する外国人家族が帰化する場合についてですが、家族全員で一緒に帰化することも、父親・母親・子供（成人）のみといった家族内で個別に帰化することも可能です。
しかしながら、一般的には日本で暮らす外国人家族が帰化を希望する場合、家族全員一緒に帰化することが今後日本で安定的に生活をするうえで望ましいと考えられています。
ですので、家族内で一人だけ、または父と子だけといった家族内で帰化について別々の立場になるような場合には法務局での面談の際に理由を尋ねられますのでしっかりと伝えられるように帰化について家族内で十分に話し合っておく必要があります。
個別に申請しても審査や書類は家族に及ぶ
帰化の申請は個別で申請した場合でもその審査範囲は家族に及び、書類についても自身のものだけでなく家族の分も必要となるものもあります。
例えば、素行要件の一つである税金の支払いについては本人だけでなく、配偶者や同居の家族の納税状況を確認するために家族の納税証明書などを提出します。また、生計要件では家族の収入や資産なども報告して関係書類を提出します。
更には申請後に実施する面接には配偶者などといった家族の同席を求められるケースもあります。
家族同時申請のメリット➀負担が軽減される
このように、例え個別申請だったとしても審査や必要書類は家族関係にも及びますが、家族で一緒に帰化する場合、申請をまとめることにより重複する書類や必要書類として挙げられている一部書類が不要になり、帰化に係る労力・時間・費用の負担を軽減することができます。
家族同時申請のメリット➁帰化要件が緩和される
また、家族で一緒に帰化する場合、配偶者や子供に対し簡易帰化が適用されます。
例えば、配偶者では住所条件が緩和され、本来であれば引き続き5年以上といった条件から簡易帰化の条件である引き続き3年以上などといった短縮した期間になります。子供については日本に住所を有していれば引き続き5年以上といった条件が不要となり、また18歳以上でなければならないといった能力要件も不要となります。
その他にも簡易帰化による緩和された条件が適用される為、従来であれば帰化の対象にならない方でも申請できる場合があります。
家族で十分な話し合いを
以上のように家族一緒での帰化にメリットがあるとはいえ、従来の国籍を手放し日本国籍を取得すると決断することは簡単なことではありません。ましてや、子供も一緒でしたら尚更です。
1人で帰化するのか、両親だけ帰化するのか、家族一緒に帰化するのか、将来を見据え十分に家族で話し合って選択することをお勧めします。