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11.292020
遺言書 費用

遺言書を残そう思ったときに気になるのが費用です。
自筆証書遺言や公正証書遺言など遺言書の形式によってかかる費用は異なります。
また、行政書士や弁護士等の専門家に依頼するかしないか、依頼する場合どの専門家に任せるかで負担する金額は変わります。
1.遺言書の形式別費用
(1)自筆証書遺言作成費用
遺言者本人による自筆での遺言書になります。
結論から言えば費用はほぼ発生しません。
紙とペン、遺言書を入れる封筒代ぐらいです。
保管を法務局に依頼する場合には保管申請料3,900円が必要になります。
専門家へ依頼する場合には別途専門家への報酬が費用として必要になります。
(2)公正証書遺言作成費用
公証役場にて作成する遺言書になります。
戸籍等の書類を提出するため書類代が必要です。
また、公証人および証人への手数料が発生します。
次の①から④までを加えた金額が負担する費用になります。
①書類代
提出する書類の取得費用になります。
・遺言者の印鑑証明書 一通300円
・財産を相続する人の書類(戸籍謄本・住民票) 一通450円・300円×必要分
・土地・建物の登記事項証明書 一通600円×必要分
・登記簿謄本または全部事項情報 一通600円×必要分
・固定資産評価証明書 一通350円~400円×必要分
②公証人手数料
遺言書を作成する際に公証人に支払う手数料になります。
相続財産の金額、相続人数によって決まります。
全体の財産が1億円以下の場合に遺言加算として11,000円が別途計上されます。
例)相続人が配偶者と子1人
相続財産3,000万円 配偶者に2,000万円 子に1,000万円を残す場合
手数料23,000円+手数料17,000円+遺言加算11,000円=55,000円が公証人に支払う手数料となります。
③証人手数料
公正証書遺言を作成する際に最低でも2名の証人立ち合いが必要になります。
ご自身で用意できれば費用はかかりませんが、遺言書の内容を知られてしまうため一般的には専門家または公証役場に依頼する方が多いです。
公証役場に依頼する場合 証人1名につき6,000円程度
専門家に依頼する場合 証人1名につき10,000円~20,000円程度
④専門家への報酬
専門家へ依頼するのが一般的ですが、その場合には専門家への報酬が別途発生します。
2.専門家別費用
(1)行政書士
事務所やサポート内容によって金額は変わりますが、一般的な行政書士での遺言書作成業務は相続人調査・相続関係説明図作成・財産調査・財産目録作成・遺言書案文作成・公証人との調整等となっています。
10万円~20万円くらいで上記内容の遺言書作成費用を設定している事務所が多いようです。
(2)司法書士
行政書士と同じく事務所等で金額が変わります。
遺言書の作成費用は10万円~20万円くらいと行政書士とほぼ同じような価格帯が多く見受けられますが、遺産の額によって費用が変わる事務所もあります。
(3)弁護士
20万~100万円以上の費用となります。遺産に関するもめごとがなさそうでしたら比較的低額でおさまりますが、争いごとなどの危険性がある場合には高額になります。また、遺産の額によっても費用が変わってきます。
(4)銀行
他士業と比べると高額です。
30万円~100万円 別途保管料が毎年発生します。
3.まとめ
遺言書の形式や専門家への依頼の有無などで費用は大きく異なります。
費用を主として考えると自筆証書遺言を専門家への依頼なしで作るのが負担が小さく、公正証書遺言を弁護士または銀行で作るのが負担が大きくなります。
一見、費用がかからない自筆証書遺言・専門家なしが良さそうに見えますが遺言書の信ぴょう性で考えると一番低く、信頼性に劣ります。
遺言書は人生で何回も書くものではありません。
また書き残すだけでなく法的に有効であり、かつ、争うことなく遺言者の希望を実現するものでなければ意味がありません。
費用も大事ですが有効性や実現性を考慮した遺言書作りが大切になります。
そのためには予算に関わらず、専門家に一度話を聞くことをお勧めします。
無料相談会などを利用すれば費用の負担なく相談できますので検討してみてください。
人の置かれた状況は千差万別です。遺言者の希望もそれぞれです。
是非、専門家を利用してご自分の状況や事情にあった遺言書作成をしてください。