帰化のメリットとデメリット

帰化のメリットとデメリット

現在、多くの外国人に門戸を開いている日本ですが他国同様、自国内で活動する外国人に対して一定の活動制限を設けています。そのような中、様々なことを検討して帰化を選択し、日本国籍を得た場合、次のようなメリット・デメリットを受けることになります。

帰化のメリット

1.在留資格に関する煩わしい手続きが不要になる

日本国籍を取得することにより、これまでおこなっていた在留カードの更新手続きに係る手続きがなくなります。これにより手間や時間、費用はもちろんのこと更新が問題なく終えられるか、日本に引き続き住み続けることができるかなどの不安もなくなり、安心して日本で暮らすことができるようになります。

2.就労に関する制限がなくなる

在留資格により就ける職業・日本における活動内容に一定の制限がありましたが帰化することにより職業や活動内容を自由に選ぶことができるようになります。国家公務員や地方公務員(一部の自治体では外国籍でも採用あり)といった外国人では選択できなかった仕事にも就くことができるようになります。

また、採用する企業側から見ても在留期間の問題や言葉の問題、素行の問題等が公的機関の調査によりクリアされているので安心して雇用できます。

3.ビザ(査証)なしで他国に行くことができる

日本のパスポートを取得することができますので多くの国へビザなしで渡航することができます。大使館や領事館にビザを申請する手続きが不要になり、楽に海外に足を運ぶことができます。

他にも、事業をおこなっている方でしたら融資が受けやすくなるといったことや、日本の政治に興味がある方は投票はもちろん立候補等政治に直接参加できるといったメリットがあります。

帰化のデメリット

1.母国の国籍がなくなる

日本の国籍を取得するにはそれまでの国籍を喪失することが条件の一つとなっています。それにより当然ながら母国への帰省には査証や在留資格等の外国人としての手続きが必要になってきます。

また、年齢を重ねるうちに母国に国籍を戻したいと思っても国によっては国籍回復手続きが非常に難しいところもあります。

2.帰化申請手続きが並大抵ではない

法務省HPによると帰化許可申請に必要となる主な書類として挙げられているのは次の11種類になります

帰化申請書類・親族の概要を記載書類・帰化の動機書・履歴書・生計の概要を記載した書類・事業の概要を記載した書類・住民票の写し・国籍を証明する書類・親族関係を証明する書類・納税を証明する書類・収入を証明する書類

もちろん申請者の国籍や身分関係、職業などによって必要な書類が異なり、その他にも必要になる書類があるのは当然ですが、さして苦労せずに揃えられそうにも思える内容となっています。

手続きを進めていくとわかりますが、上記に簡単に書いてある書類1種類に対し複数の添付資料が必要になります。具体的には住宅・勤務先・事業所等付近の略図、在勤及び給与証明書、陳述書、母国の出生証明書等、配偶者の戸籍、各種記載事項証明書、源泉徴収票1年分などといった数々の添付書類が必要になってきます。

帰化申請では最終的な書類の枚数で大変さを表現することがありますが、やはり一般的に言われている通り100枚以上の書類を準備することが想定されます。 そしてその膨大な資料を収集・作成し、分厚い書類群をプライベートの時間を使い1枚・1項目ずつ間違いがないか、不足はないかなど調べながら確認・修正していくことがやはりデメリットとして挙げられます。